講義テキスト・カリキュラム一覧
このコースは、KiCad入門の次に読む中間コースです。回路の結線をコードで書き、配線の大半を自動配線に任せ、要所を人が仕上げます。題材は、電源レギュレータを足して手持ちの5Vで自立するCH32V003ボード。全9章を通して、コード(skidl)→ネットリスト→KiCad→FreeRouting自動配線→発注までを一周します。まだの方は、先にKiCad入門で一枚作ってから戻ってきてください。
序章:このコースで作るものと、作り方
このコースで作るボードと、その作り方の全体像を先に示します。回路の結線をコードで書き、配線を自動化に任せ、要所を人が仕上げる、という流れです。
この章を学習する第1章:今回のボード ― 電源レギュレータを載せて5Vで自立させる
基本形のCH32V003ボードに電源レギュレータ(AMS1117)を一つ足し、手持ちの5Vを挿すだけで単体で動くボードを、今回の題材として決めます。「足す/足さない」を要件から逆算する考え方も。
この章を学習する第2章:なぜ結線を「コード」で書くのか
回路図で手描きする代わりに、つなぐ関係をコードで書く――その発想を、持ち込んだ人の着眼から追います。コードから回路図(絵)を自動で起こす3つの道(清書・確かめる図・実験的な生成)も切り分けます。
この章を学習する第3章:skidlを自分のPCで動かす
skidlを自分のPCに入れ、いちばん小さな回路を1つコードで動かして、ネットリストが出るまでを通します。つまずきやすい環境設定(部品ライブラリの在り処)を、重点的に案内します。
この章を学習する第4章:結線をコードで書き、ネットリストを作り、機械で検算する
今回のボードの結線をskidlで書き下し、ネットリストを作り、機械で検算します。繰り返しはループで畳み、線の太さやベタGNDは「コードに書かない(=KiCadの担当)」とはっきり線引きします。
この章を学習する第5章:KiCadに取り込み、配線のルールを自分で決める
コードで作ったネットリストをKiCadに取り込み、部品を並べ、線の太さ(ネットクラス)とGNDのベタ塗り範囲を自分で決めます。前回のプロジェクトで飛ばしてしまった一手を、正面から押さえ直す回です。
この章を学習する第6章:FreeRoutingで自動配線する ― 任せる所と、人がやる所
FreeRoutingで配線の大半を自動で引き、機械が引けなかった数本を人が仕上げ、ベタGNDを塗り、DRCをゼロにします。「どこまでを機械に任せ、どこからを人がやるのか」を実地で確かめます。
この章を学習する第7章:現物にする(発注と部品調達)
DRCゼロの設計データをガーバーに書き出し、格安ファブに発注し、電源部を含む部品を調達します。実際に発注して動作確認したら、完成した基板の写真を残せる「記録」の欄も用意しています。
この章を学習する第8章:いま、世界はどう作っているか(トピックス)
あなたが通った道の先で、世界はいまどうこの流れを作っているか。skidl・atopile・tscircuit、自動配線とAI、そして出版DTPの見立てまでを眺めます。使いこなすためではなく、いまどこを向いて動いているかを知るための章です。
この章を学習する本テキストをご利用になる前に
このテキストは、プリント基板の設計を、回路図の手描きから一歩進めて、コードと自動化で扱い直す流れを、実際に手を動かしながら体感してもらいたいという思いで公開しています。内容の正確さには努めましたが、誤りや説明の不足が残っている可能性があります。また、扱うソフトウェア(KiCad・skidl・FreeRoutingなど)や各種サービス、部品の入手性は時とともに変わり、お使いの環境やバージョンによっては、本文の手順どおりに動作しないことも起こり得ます。とくにツールの版番号や具体的な操作手順は、各ツールの最新の公式情報を必ずご自身で確認してください。
本テキストの内容を試した結果として生じたいかなる損害・不都合(部品の破損、発注した基板の不具合、費用の発生など)についても、著者は責任を負いかねます。実際に作業される際は、各ツールや製造・販売事業者が提供する最新の公式情報を確認し、ご自身の判断と責任のもとで進めてください。
このコースは、KiCad入門で一度手を動かした方が、その次に読む中間コースとして書いています。KiCad入門で一枚作っていると、ここで扱う話が具体的にわかります。お気づきの誤りや改善点があれば、ぜひお知らせいただけると幸いです。