脳は20Wで動く ― ニューロチップの現在地
脳をまねたチップは、なぜまだ手元の機械に入っていないのか。何が足りないのかを見に行きます
人間の脳は、電球ひとつ分、およそ20ワットの電力で動いています。見て、聞いて、歩いて、話して、考えて、その全部で20ワットです。いっぽう、いまのAIを動かしているコンピュータは、電力を食いすぎて、データセンターの隣に発電所が要ると言われるほどになりました。それなら、脳のやり方をまねたチップを作ればいいのではないか。そう考えた人たちが、30年以上前からいます。実際に、脳をまねたチップは何世代も作られてきました。けれど、あなたのスマホやパソコンには、まだ入っていません。今日は、その「なぜ入っていないのか」を見に行きます。
今日の散歩コース
- 出発点 なぜ「脳をまねたチップ」に期待が集まったのか。脳の20ワットと、AIの電気代の話から
- 最初の角 30年でどこまで来たのか。研究用のチップと、売られているチップを分けて見る
- いちばん見たい場所 チップそのものはできているのに、何が足りないのか。三つの層に分けて確かめる
- 回り道 ここ二年で静かに変わったこと
- いちばん高い場所 「AIチップは速く計算する機械だ」という思い込みを外すと、景色が変わる
- 終点 自分の手でニューロンを一個作ってみる入口
この散歩で言いたいこと 脳をまねたチップは、GPUの代わりを狙うと勝てません。でも「何も起きていないあいだ、電気を使わない」という一点では、ほかに代わりがいません。そこに絞って製品が出始めた、いまが夜明け前です。
GPU もともと画面の絵を描くためのチップですが、同じ計算を何千個も同時にこなせるので、いまのAIの計算はほとんどこれで動いています。速いかわりに電気を食います。
NPU AIの計算だけに絞って、GPUより少ない電気で動くように作られたチップです。いまのスマホやノートパソコンには、ほぼ必ず入っています。
ニューロモーフィック・チップ(ニューロチップ) 脳の神経細胞のやり方をまねて計算するチップです。この散歩の主役です。中身は第3節で説明します。
1 出発点 ― 20ワットの脳と、国ひとつ分の電気
期待の大きさを、二つの数字で押さえておきます。
一つ目は脳の側です。人間の脳には、およそ860億個の神経細胞があると言われています。それが互いにつながり合って、ものを見たり、言葉を理解したりしています。この巨大な仕組みが使う電力が、およそ20ワット。ノートパソコンの充電器より小さい数字です。しかも脳は、眠っているあいだも止まりません。呼吸を続け、物音がすれば目を覚まします。「ずっと動いていて、20ワット」。これが、脳をまねたチップが目指してきた到達点です。
二つ目は機械の側です。国際エネルギー機関(IEA)の報告によれば、2024年に世界のデータセンターが使った電力は約415テラワット時で、世界全体の電力消費の1.5パーセントほどにあたるとされています。これが2030年には約945テラワット時まで増えると見込まれていて、日本という国が一年に使う電力とほぼ同じ規模です。データセンターの電力は2017年から年におよそ12パーセントずつ増えていて、これは電力全体の伸びの4倍を超えるそうです。AIの限界は、計算の速さではなく、電気の量になりつつあります。
脳のやり方をまねれば、この差を埋められるのではないか。こう考えた最初の一人が、カーバー・ミード氏です。ミード氏は米国カリフォルニア工科大学の教授で、1980年代にチップ設計の教科書を書き、いまのチップ設計の基礎を作った人物の一人です。その氏が1980年代の終わりに「ニューロモーフィック」という言葉を作りました。「神経(ニューロ)のかたち(モーフィック)をした」という意味です。氏が言ったのは、こういうことです。いまのコンピュータは、電圧を「高いか低いか」の二つにきっちり分けて、それを1と0として扱っている。中途半端な電圧は許さず、そこに揃えるために電力を使っている。脳はそこまで厳密ではなく、信号の強さは連続的で、少々のばらつきやノイズがあっても平気で動いている。そのぶん桁違いに少ない電力で済んでいる。トランジスタという部品は、じつは放っておくと、電圧に応じて連続的に電流が変わる、神経細胞に似た振る舞いをする。ならば、トランジスタを無理に1と0に押し込めず、脳のように使えばいいではないか、と。
「1か0かではない」と聞くと、量子コンピュータを思い浮かべる方がいるかもしれません。でも、これは別の話です。
いまのコンピュータは、電圧を高いか低いかの二つに分けて、1と0として扱います。脳型チップは、電圧を二つに分けずに、連続的な値のまま計算に使います。水道の蛇口にたとえると、いまのコンピュータは「全開か全閉か」だけを使い、脳型チップは「半開き」も「少しだけ」も使う、という違いです。どちらも、ふつうの物理で動く、ふつうの電子回路です。
量子コンピュータは、これとはまったく違います。量子の性質を使って、一つの素子が「1でもあり0でもある」という重ね合わせの状態を取り、それを計算に使います。得意なのは、特定の種類の数学的に難しい問題です。大きな数の素因数分解(暗号に関わります)、分子や材料の振る舞いの計算、ある種の最適化や探索などで、「ふつうのコンピュータでは何万年もかかる計算を、現実的な時間で」という話です。日常のAIの計算をそのまま量子で速くする、という筋書きは、いまのところ研究段階の仮説にとどまっていて、製品の話にはなっていません。
競合するのか。 しません。脳型チップの席は「センサーの隣で、電池で、ずっと待機する」場所です。量子コンピュータの席は「据え付けの大型装置で、特定の難問を解く」場所です。同じ席を取り合う場面は、まず想定されていません。強いて共通点を挙げれば、どちらも「いまのコンピュータの限界を、原理の違う素子で超えようとしている」という一点だけです。
電力はどうなのか。 量子チップそのものは、超伝導方式なら電気抵抗がほぼゼロなので、チップ単体の消費電力はごくわずかです。ただし、動かすには素子を絶対零度近く(マイナス273度に近い温度)まで冷やす冷凍機と、量子ビットを操作する制御用の電子機器が要ります。現在のシステム全体では、十数キロワットから数十キロワットが一つの目安と言われていて、これはGPUのラック一本に近い規模です。データセンター一棟分のような桁ではありませんが、電池で動く話でもありません。そして大事なのは、量子コンピュータはまだ「役に立つ計算」を実用規模でこなせていないので、「一つの答えを出すのに何ワット時かかるか」という比較ができる段階にない、ということです。
整理すると、いまのコンピュータは「1か0か」、脳型チップは「1と0のあいだの連続した値」、量子コンピュータは「1でもあり0でもある」です。電力で並べるなら、脳型チップは「ミリワットで、電池で、センサーの隣」、GPUは「ラック一本で数十キロワット、データセンターで国ひとつ分」、量子は「装置一台で十数キロワット以上、ただし据え付けで、まだ比較できる仕事をしていない」。量子は「省電力のAI」の候補ではなく、この散歩の話とは別の道です。脳型チップと量子コンピュータは、読み物『カンブリア爆発』の第2章でも別の種類として紹介しています。
この考えが数字になったのは2010年代です。米国の国防高等研究計画局(DARPA)が2008年に始めた研究計画から、2014年にIBMのTrueNorth(トゥルーノース)というチップが生まれました。100万個の神経細胞に相当する回路を一つのチップに載せ、消費電力は70ミリワット程度と発表されています。「切手ほどの大きさの脳」と紹介されました。2017年にはインテルがLoihi(ロイヒ)というチップを発表し、2021年にその二代目を出しています。市場調査会社は、このチップの市場が今後10年、年に数十パーセントの勢いで成長すると予測を出し、その数字はいまも更新され続けています。
2 最初の角 ― 研究用は大きくなり続けた。売り物はやっと出た
では、この十数年で何が起きたのでしょうか。主なチップを並べてみると、はっきりした模様が見えてきます。
| 年 | チップ | 規模・特徴 | いまの状態 |
|---|---|---|---|
| 2014 | IBM TrueNorth | 100万ニューロン、約70mW | 研究用。製品にはならず |
| 2017 | Intel Loihi | 約13万ニューロン | 研究者向けに提供 |
| 2021 | Intel Loihi 2 | 最大100万ニューロン | 研究者向けに提供 |
| 2024 | Intel Hala Point | Loihi 2を1,152個、11.5億ニューロン、最大2.6kW | 米国の国立研究所に設置。研究用 |
| 2021〜 | BrainChip Akida | 待機時1μW未満 | 製品。2026年6月に量産出荷を発表 |
| 2025 | Innatera Pulsar | 1mW未満、ウェアラブル向け | 製品 |
| 2020〜 | SynSense Speck ほか | カメラと一体、1mW未満 | 製品 |
数値は各社の発表値です。「いまの状態」は本稿執筆時点の公開情報にもとづく整理で、状況は変わりえます。
上の段(IBMとインテル)は、規模の記録を更新し続けています。2024年のHala Point(ハラポイント)は、TrueNorthの千倍を超える神経細胞を一つのシステムに収めました。ただし、どれも「研究者向け」「国立研究所に設置」であって、製品として売られてはいません。下の段(BrainChip、Innatera、SynSense)は製品ですが、規模は上の段より何桁も小さく、狙っている場所も「センサーのすぐ隣で、ごくわずかな電力で、ずっと待機している」という、ごく限られた用途です。
10年前の期待は、上の段が製品になって、下の段が広がっていく、というものでした。実際に起きたのは、上の段は研究のまま規模だけが大きくなり、下の段がようやく製品として出始めた、という景色です。
思ったように進まなかった理由は、当時から言われていたことが二つあります。一つは、「脳のように」という言葉が、実際の技術より先に走ったことです。TrueNorthもLoihiも、神経細胞の振る舞いをごく単純にしたモデルで動いています。「脳のように学習する」と紹介されても、その学習は、いまのAIが使っている方法とは別の、まだ発展途上のものでした。もう一つは、性能の比べ方が公平でなかったことです。「GPUの千倍効率がいい」といった数字は、たいてい、脳型チップが得意な課題を選び、GPUの側は最適化しない条件で測られていたと指摘されています。逆に、写真に何が写っているかを当てるような、いまのAIが得意な課題では、脳型チップは正解率で負け、効率の差も縮んだと言われています。
これは技術が駄目だった、という話ではありません。何が得意で何が苦手かが、一周目でやっと分かった、という話です。
3 いちばん見たい場所 ― チップはできている。足りないのは何か
ここが今日の散歩でいちばん見たかった場所です。IoTの散歩と同じ物差しで、三つの層に分けて見ていきます。その前に、脳型チップの中身を説明しておきます。ここが分からないと、何が足りないのかも分からないからです。
いまのAI(ニューラルネットワーク)は、たくさんの数字を掛けて、足して、次に渡す、という計算を、全部の場所で、毎回、決まった拍子で繰り返しています。一枚の写真を見るときも、動画の一コマごとに、この計算を最初から最後まで全部やります。
脳の神経細胞は、そういう動き方をしません。まわりから信号を受け取ると、それを少しずつ「ためて」いきます。ためたぶんは時間とともに少しずつ「漏れて」いきます。そして、ためた量があるところを超えた瞬間だけ、一発、短い信号を出します。この短い信号を「スパイク」と呼びます。信号を出したら、ためた量はゼロに戻ります。
つまり脳型チップの中では、情報は「数字の大きさ」ではなく、「信号が出たか出なかったか」と「いつ出たか」で運ばれています。この方式で組んだネットワークを、スパイキング・ニューラル・ネットワーク(SNN)と呼びます。本稿では以下「スパイク方式」と書きます。
この方式のいいところは、何も起きていないあいだは、どの神経細胞も信号を出さない、つまりほとんど電気を使わないことです。悪いところは、いまのAIの学習方法や道具が、そのままでは使えないことです。
整理します。脳型チップは、技術の層は抜けています。止まっているのは、その上の二つの層です。IoTの散歩でも、IoTは技術の層より上、「集めたデータを判断に変える人」と「お金が回る設計」の層で止まっていました。脳型チップは「いまのAIをスパイク方式に翻訳する道具と人」の層で止まっています。どちらも、足りないのは「翻訳」です。
4 回り道 ― ここ二年で、静かに変わったこと
止まっている、と書きましたが、ここ二年ほどで景色は動いています。追い風と向かい風を、両方並べます。
追い風 ― 製品が、ようやく出た
BrainChipは2026年6月、AKD1500というチップの量産出荷を発表しました。連続して推論しても1ワット未満で、すでに複数の顧客に量産品を届けているとしています。Innateraは2025年にPulsarを出しました。面白いのはその中身で、スパイク方式の回路だけでなく、いまのAI用の回路と、小さなマイコンを、一つのチップに同居させています。「全部をスパイク方式でやる」という理想を捨てて、「ずっと待機する部分だけスパイク方式でやり、何か起きたら普通のAIに渡す」という割り切りです。SynSenseは、動きのあった画素だけが信号を出す特殊なカメラと、スパイク方式の回路を、一つの部品に収めました。
これらに共通しているのは、規模を競うのをやめて、「センサーの隣で、ごくわずかな電力で、何かが起きるのを待つ」という一点に絞ったことです。一周目で分かった「得意なこと」に、まっすぐ寄せてきています。
追い風 ― 電気が、お金の話になった
データセンターの電力が国の消費量と並ぶ規模になると、電気の効率は「あればうれしい性能」ではなく、設備投資と電気代の問題になります。IBMが2023年に発表したNorthPole(ノースポール)というチップは、スパイク方式は使いませんが、「記憶する場所と計算する場所を近くに置く」という脳の設計思想だけを借りていて、この文脈で注目されています。脳型チップの考え方は、スパイク方式という一つの製品を超えて、チップ設計の考え方そのものに染み出し始めています。
向かい風 ― 二つ
一つ目は、NPUがさらに強くなっていることです。いまのAIをそのまま動かす回路の効率は毎年上がっていて、脳型チップが差をつけられる余地は狭まっています。二つ目は、大手の腰が定まらないことです。インテルはLoihiを研究者向けに提供し続けていますが、製品化の時期は明言していません。IBMはTrueNorthの後継を製品にしませんでした。規模で先頭を走る二社が「研究」から出てこないかぎり、ソフトウェアと人の層にお金が集まりにくい構造は変わりません。
5 いちばん高い場所 ― 「AIチップは速く計算する機械だ」という思い込みを外す
ここが今日の散歩でいちばん見晴らしのいい場所です。
脳型チップが主役になれない理由の多くは、GPUと同じ土俵で比べられていることから来ています。写真を当てる正解率、一秒に何回答えられるか、1ワットあたり何回計算できるか。これらはすべて、GPUが決めた物差しです。この物差しで測ると、脳型チップは「正解率が少し低く、道具が少なく、効率は条件次第」という、勝ちにくい位置に置かれます。
ところが、脳が20ワットで済んでいる理由は、計算が速いからではありません。何も起きていないときに、何もしないからです。
GPUもNPUも、クロックという太鼓に合わせて動きます。太鼓が鳴るたびに、全員が一斉に一歩進みます。見るべきものがあってもなくても、太鼓は鳴り続け、全員が動き続けます。脳は違います。神経細胞は、ためた信号が閾値を超えたときだけ一発出して、それ以外の時間はほとんど何もしていません。行進する軍隊と、見張りの違いです。見張りは、何も来なければ立っているだけで、来たときだけ声を上げます。
この違いが効くのは、「ほとんどの時間、何も起きていない」場面です。そして、世の中のセンサーの大半は、まさにそういう場面に置かれています。工場の機械の振動を聞き続けるマイク。夜の駐車場を見続けるカメラ。お年寄りの転倒を待つ加速度センサー。話しかけられるのを待つスマートスピーカー。これらは一日のうち99パーセント以上の時間、「異常なし」と言い続けています。太鼓に合わせて毎秒何十回も「異常なし」を計算するのは、電池の無駄です。見張りを一人立てておいて、何かが起きたときだけ、本隊(普通のAI)を起こせばいい。
こう見ると、脳型チップの居場所が変わって見えます。GPUの代わりではなく、GPUを眠らせておくための回路。考える脳ではなく、とっさに手を引っ込める脊髄。「考えるAI」の手前で、反射を担当する部分です。読み物『カンブリア爆発』の第8章で、体を持ったAIには「センサーで周りを感じ、瞬時に判断し、モーターを動かす」というループが要ると書きました。このループのうち「感じる」と「瞬時に」は、太鼓ではなく見張りの仕事です。Pulsarがスパイク方式の回路の隣に普通のAIの回路を同居させたのは、まさにこの「見張りと本隊」の組み合わせを、一つのチップの中に作ったものだと読めます。
「AIチップは速く計算する機械だ」という思い込みを外して、「AIチップは、起きるべきときだけ起きる機械でもある」と言い直したとき、脳型チップが本当に得意な場所が、初めて見えてきます。
6 終点 ― 自分の手で、ニューロンを一個作ってみる
ここまでの話は、読めば分かります。けれど、「何も起きていないときに何もしない回路」が、本当にどれだけ電気を節約するのか、そして節約しないのはどういうときか。これは作ってみないと身体に入りません。
幸い、神経細胞ひとつは、小さな回路です。いちばん単純なモデルは「漏れ積分発火モデル」と呼ばれていて、やることは第3節で説明した三つだけです。入力をためる。時間とともに少し漏らす。あふれたら一発出して、ゼロに戻す。デジタル回路なら、カウンタひとつと比較器ひとつで書けます。Verilogで数十行です。アナログ回路なら、コンデンサひとつと抵抗ひとつと比較器ひとつ。ミード氏が言った「トランジスタは放っておくと神経細胞に似ている」という話を、自分の目で確かめられます。
作ってみると、記事には書いていないことが次々に出てきます。「漏れ」の量を整数で表したとたん、神経細胞の応答がカクカクの階段になること。「何もしないときは電気を使わない」と言いながら、FPGAのクロックを止めない限り電気は減らないこと。つまり見張りの省電力は、神経細胞の式ではなく、クロックと電源の設計で決まるということ。アナログで作ると、隣り合う二つの神経細胞の閾値がばらついて、「同じ回路のはずが同じに動かない」こと。そして、神経細胞を二つつないで「同時に信号が来たときだけ発火する」検出器を作った瞬間に、スパイクの「いつ出たか」が情報を運ぶという、この技術の核心が、初めて実感として分かること。
この実験は、脳型チップで儲かるかどうかを教えてはくれません。けれど、「太鼓と見張りの違い」をワット数として自分の手で測った人は、次にこの技術のニュースを読むとき、まったく違う読み方ができるようになります。第3節で「翻訳できる人が足りない」と書きました。その一人になるための、いちばん短い道がこれです。
散歩の終点 自分の手で確かめる入口
- いま歩ける道 基礎02 FPGA入門の延長で、神経細胞を一個Verilogで書き、ボタンを連打するとLEDがスパイクする回路を作る。次に二個つないで同時検出器にする(発展課題として準備中)
- いま歩ける道 基礎04 アナログIC設計入門の延長で、コンデンサ・抵抗・比較器によるアナログの神経細胞をxschem/ngspiceで組み、SkyWater 130nmで閾値のばらつきを見る(応用課題として準備中)
- その先の道 小さな神経細胞の配列をTiny Tapeoutに提出する。1タイルに収まる規模から始められます
- 足元の数字 データで読むチップ試作の3,625設計のうち、神経細胞・スパイク方式の設計が何件あり、どう推移しているかを数える調査を検討中
付記:この散歩の限界
- 見ていないもの。 量子コンピュータは、脳型チップとの違いを説明する範囲にとどめました。量子コンピュータの消費電力は方式や世代で大きく異なり、本稿の値は現在の超伝導方式のシステム全体についての目安です。脳に埋め込む装置(Neuralink、Synchronなど)と、培養した本物の神経細胞で計算するバイオチップは、範囲外としました。どちらも別の散歩で扱います
- 数字の条件。 「GPU比で何倍」という効率の値は、各社が選んだ課題と条件での測定です。本稿はそれを引用していますが、条件を揃えた第三者の比較は限られています。市場規模の予測は調査会社ごとに定義と数字が大きく異なるため、本稿では具体的な金額を引用していません
- 時点。 2026年9月の景色です。製品の出荷状況、大手の製品化方針、開発ツールの統合は、数か月で変わりうる領域です。夜明け前は、景色が早く変わります